災害前に家族で決めておく30のことはどんな本?本文から学ぶ4つのポイント

水や携帯トイレ、懐中電灯を用意していても、家族が別々の場所にいる時間に災害が起きれば、次に迷うのは物の数だけではありません。電話がつながらないとき、どの短文を残すのか。学校にいる子どもは誰が、どの方針に従って引き取るのか。第一集合場所が使えないとき、家族はどこへ向かい、あるいはどこへも向かわず安全確保を続けるのか。別の町で暮らす親、薬の情報、ペット、電源、未確認情報を、誰がどこへ確認するのか。こうした答えは、購入した用品の箱には入っていません。
第1章 これは安全保証ではなく、家族の確認漏れを減らす本
日曜の夕食後、加藤家は収納庫から防災用品を出した。飲料水、携帯トイレ、懐中電灯、乾電池。購入した時期は違っても、家族四人と犬のために少しずつ増やしてきたものだ。父が満足そうに「十分そうに見えるね」と言うと、小学生の子が聞いた。
父は近所の公園を思い浮かべた。母は学校で待つのではないかと思った。別の町で暮らす祖母については、二人とも「まず電話する」としか答えられなかった。電話がつながらないときのことは、誰も決めていなかった。
- 水はあった。答えがなかった
- 家族計画が答えを出してはいけない場面
- 加藤家が最初に交わした四つの言葉
第2章 家族全員の一日の居場所を一枚にする
加藤家の最初の案では、用紙の左側に家族の名前を並べた。父、母、子、祖母、犬。ところが「平日の午後二時なら?」と時刻を一つ置いただけで、答えがばらばらになった。父は電車で職場へ、母は自宅近くの勤務先へ、子は学校へ、祖母は自宅か通院先へいる可能性がある。犬は自宅にいるが、家族の誰かが迎えに戻れるとは限らない。
家族の一覧だけでは、連絡や集合の設計に必要な距離が見えない。必要なのは、誰が家族かを示す系図ではなく、「どの時間帯に、どんな場所にいて、誰の方針に従い、どの手段で連絡できるか」を並べた一日の地図である。
- 家族写真ではなく、時間帯の地図を作る
- 平日昼、夜、休日では、同じ人も別の条件になる
- 「頼れる人」は迎えに行く人ではない
第3章 自宅・学校・職場・親宅の危険を別々に見る
加藤家は以前、自宅周辺のハザードマップを印刷していた。父はその紙を広げ、「ここまでやってある」と言った。母が学校の場所を指さそうとすると、印刷範囲の外だった。父の勤務先も祖母の家も載っていない。さらに、自宅で主に想定していた災害と、別の地点で確認すべき災害が同じとは限らなかった。
家族の危険を一枚の地図で代表させると、よく知っている自宅だけが詳しくなり、平日昼にいる場所が空白になる。そこで本章では、地図を四枚集めるのではなく、四地点について「どの公的な地図を、いつ、どの災害種別で確認したか」を一つの表にする。
- 自宅の地図だけでは、家族の地図にならない
- 地点ごとに、質問を変える
- 色を見た後に、文章を読む
第4章 家族が見る公式情報を三つまでに絞る
台風が近づくという架空の練習で、加藤家は各自が見る画面を開いた。父はニュースアプリ、母は自治体の通知、子は学校からの連絡、祖母はテレビ。家族のグループには、知人から転送された画像も届いた。「危険らしい」「避難した方がいいらしい」という言葉は増えたが、誰がいつ、どの地域を対象に出した情報かが見えなくなった。
情報源を一つだけにすることはできない。自治体の避難情報、気象庁等が発表する防災気象情報、地図で危険度を確認するキキクルや河川情報には、それぞれ役割がある。一方で、家族全員が十個のアプリを同時に見る必要もない。平常時に「行動を確認する入口」「危険の高まりを見る入口」「自分の地点を地図で確かめる入口」を三つまで選び、提供主体と用途を言えるようにする。
- 通知が多いほど、根拠が見えなくなる
- 2026年5月から何が変わったか
- 三つの入口に名前を付ける
よくある質問
『災害前に家族で決めておく30のこと』はどんな人向けですか?
連絡・集合・引き取り・避難・薬・電源・ペットを一枚の「わが家の判断シート」にまとめるに関心があり、読むだけでなく一つずつ試したい人向けです。
最初から順番に全部取り組む必要がありますか?
いいえ。現在の悩みに近い章を一つ選び、確認項目を少数で試してから次へ進めます。